2007年11月14日

細胞の寿命を決定する『テロメア』と『サーチュイン』

レスベラトロールの研究の中で、よく『テロメア』『サーチュイン』『Sir2(サーツー)』という用語が出てきます。
これらは、いったどのようなものなのでしょう?

人体は60億個もの細胞で形成されて、毎日新陳代謝を繰り返していますが、細胞の寿命を決定するのは、染色体に繋がる紐状の『テロメアtelomere』だと考えられています。

細胞分裂毎にテロメアは短くなり、テロメアが無くなると細胞の寿命が尽きます。
通常、50〜60回の細胞分裂で寿命が尽きますが、テロメアを短縮させる酵素であるテロメラーゼTelomerase の働きを抑えることで、寿命を延ばすことができると言われています。1999年頃より、このテロメアの長さを保つ研究が数多く行われており、実験では短縮を30%以上抑えることに成功しています。

そして、これらの研究の中で、『サーチュインsirtuin/サーチュインファミリー』と呼ばれる酵素群(たんぱく質)が非常に注目を浴びています。
この酵素は、食物不足など環境のストレス因子に応じて活性化され、細胞修復、エネルギー生産、アポトーシス(プログラム細胞死)などに影響を与えることがわかっています。サーチュインは、生体機能の調節役として働いていると考えられています。

サーチュインファミリーであり、脱アセチル化酵素の1つである『Sir2(サーツー)』は、飢餓させる(カロリー補給が無い)と活性化することが知られています(低カロリーダイエットの理論)。
また、Sir2がこのシグナル伝達経路に何らかの形で作用することで、老化を遅らせていると考えられています。

用語 Sir;silent information regulator

Sir2は、ほとんどの生物細胞に含まれるNAD+依存性タンパク質脱アセチル化酵素ですが、ジョン・ホプキンス大学のジェフ・ボーク等の共同研究によって、Sir2が飢餓により活性化し生物細胞のライフスパン(;寿命)が延長するメカニズムが解析されています。(Science. 2002.12.20)。
この研究により、長寿のためにはある程度の摂取カロリー制限が必要であり、現在の飽食の世の中で一般的になりつつある高カロリーな食生活は、寿命を縮めることが示唆されました。

V. J. Starai, I. Celic, R. N. Cole, J. D. Boeke, and J. C. Escalante-Semerena, Sir2-Dependent Activation of Acetyl-CoA Synthetase by Deacetylation of Active Lysine, Science 298 (5602): 2390-2392.

そして、最近の研究報告では、赤ワインに含まれるレスベラトロールがSir2を活性化し、体が飢餓状態と同じ状況を作る効果が導き出され始めているのです。
そのため、レスベラトロールは、長生きポリフェノールとして、大変注目を浴びているのです。

赤ワイン/ブドウの長生きポリフェノール レスベラトロール
もっと詳しく レスベラトロールと長寿・長生きの関係
長生きポリフェノール レスベラトロールの長生き効果 Natureでの報告



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